日本酒の長期熟成酒を初めて世に出した蔵
昭和30年代前半より保存料の添加をいち早く廃止、独自の酒母造りを開発し、この酒母により日本酒の長期熟成の準備に入り、昭和46年には初の商品化をしています。純米酒がまだ認知されていない時代から、先見性を持ち将来を見据えた酒造りをしてきました。
現在1971年からの商品を貯蔵しており、ほかの蔵はまねのできない規模です。
高温山廃酛(こうおんやまはいもと)
55℃で仕込む高温山廃酛、この蔵だけの特別な造り方です。高温で酒母を造ることは、雑菌を死滅させ、デンプンを糖化するのに合理的な造り方だそうです。その後、自家培養した「生の乳酸菌」を投入し、酵母にとって住みやすい環境を整えてから、「酵母菌」を入れて優しく発酵させて木戸泉は出来上がります。
良き酒
健康・安全面で配慮があること。三原菌(麹菌・乳酸菌・酵母菌)がのびのびと醗酵した酒、これが木戸泉酒造の基本的な考え方です。そのため、醪の温度を極限に低くして醸す吟醸酒は造っていません。これからも造る予定はないとのことです。
現在、自然農法米の米による酒造りを進めて、将来的には全ての酒米を自然農法米にしたいと想いを語ってくれました。
地元を大切に
地元があって蔵が成り立つ、この精神から地元のイベントには積極的に参加しています。地元漁港の港の朝市には、遠方より数多くの来店があり、渋滞が生まれるほどです。また、ふるさといすみ蔵開きでは、1000人で乾杯のイベントを行っています。
とかく販売することに夢中になる蔵元が多い中、将来を見据えてじっくりと構える方向性に安心感を覚えます。